資産運用に貯蓄保険は使える?丨山口建敏はこう言った


「時間」を味方につけて資産をふやす方法には、さまざまなものがあります。今回はその一つとして、資産運用に適した保険を紹介します。


貯蓄保険とは


貯蓄型保険とは、保険機能と貯蓄機能が一体となった保険商品です。貯蓄型保険は、万一のときの保障を確保しながら将来に向けて貯蓄ができる保険です。


貯蓄保険のメリットは?


1.将来用意できる金額がわかりやすい


貯蓄型保険は加入前に保険料払込満了時点の解約返戻金を確認できるので、将来用意できる金額がわかりやすいのが特徴です。たとえば、「65歳時点で1,000万円の貯蓄を確保したい」という目標があるとします。この場合、保険料の払込満了を65歳、解約返戻金が約1,000万円になるようにすれば、目標の貯蓄額を確保できます。


2.半強制的に貯蓄できる


貯蓄型保険は、毎月保険料を払う必要があるため、半強制的に貯蓄できます。積立貯蓄のような感覚で続けられるので加入後は時間や手間がかかりません。早期に解約すると元本割れするため、強制的に貯蓄に取り組む手段として利用できるでしょう。


3.価格変動を気にする必要がない


株式や投資信託などの金融商品は、常に価格が変動しています。金融商品を活用した資産形成では長期保有が前提になるので、短期の値動きを必要以上に気にする必要はありませんが、慣れないうちは気になってしまうかもしれません。一方、貯蓄型保険はいつ解約するかによって解約返戻金の金額は違ってきますが、金融商品のように常に価格が変動する商品ではないので、価格変動を気にすることなく資産形成に取り組めます。


資産形成としての貯蓄保険のデメリット


保険料が比較的高い


貯蓄型保険は、掛け捨ての保険に比べると保険料が高いこともデメリットです。保険料の中に解約返戻金の原資となる積立部分が含まれているため、保険料は高い傾向にあります。保険料が高いと家計を圧迫し長期間払い続けるのが困難になる可能性もあるでしょう。


中途解約で元本割れする


貯蓄型保険は、中途解約すると元本割れすることがあります。元本割れとは、支払った保険料よりも、解約したときに受け取る解約返戻金が少なくなることです。商品や契約内容、保険料払込期間などによって異なりますが、貯蓄型保険は早期に中途解約すると元本割れする可能性が高くなります。特に「低解約払戻金型」と呼ばれるタイプの終身保険は、保険料が比較的安い分、保険料払込期間中に解約した場合の解約返戻金が抑制されているので注意が必要です。


運用期間が長い割に資産の増え方は小さい


貯蓄型保険は、低金利の影響で予定利率が下がっているため、資産形成するには難しい状況です。予定利率とは、保険契約時に約束する運用利率のことを指します。10年以上の長期間保険料を払い続けても解約返戻金は払込保険料の累計額を少し上回る程度であり運用手段としては有利といえません。


貯蓄型保険は、万一のときにはまとまった保険金を受け取れるので、必要な保障を確保しながら老後資金を準備したい人に向いています。ただし、早期に中途解約すると元本割れする可能性が高くなります。貯蓄型保険で資産形成を成功させるには、払込期間が満了するまで保険料を払い続ける必要があります。


以上が資産形成における貯蓄保険のメリット・デメリットです場所。
貯蓄保険についてまだ質問がある場合は、私に連絡してください。